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確定拠出年金を始めるにあたり知って頂きたい言葉が二つあります
それが本日の表題の『分散投資』と『移動平均』です。
今日は個人型確定拠出年金「iDeCo」(イデコ)で資産形成を進める中でどのようになったら自身の資産が増え、また減っていくかを知って貰い、皆さんが運用していく上で『スイッチング=資産の移し替え』がれだけ有効かを感じるような例題を、上記の二つの言葉と共に見ていきたいと思います。
これを見終わったら確定拠出年金を始めたくなってるかもしれませんよ!
では表題の二つを簡単に説明していきます
移動平均と言ってもチャート分析の移動平均線ではありません。移動平均法と言って今保有の『株の取得単価はいくらですよ』を計算する方法です、下記で説明しますが簡単です。 まずは確定拠出年金開始月(2001年10月)~先月(2016年12月)までの日経平均の推移を見て下さい。
グラフ内にも記載がありますが緑線が日経平均、赤線が移動平均です
ここで説明する例題の前提条件ですが
- 確定拠出年金が始まった時から毎月一定額を預け入れます。(20,000円)
- 預け入れた拠出金を毎月同じタイミングで日経平均連動ファンドを購入します(月末)
- 商品のスイッチングはする事もなくそのファンドで運用します
- 計算上ややこしくなるので手数料は無しとします
そして今日のお題の説明ですが
分散投資とは資産運用のリスクを軽減させるための投資手法で、投資資金を複数の銘柄や商品に分散させることでリスクを軽減させる『資産分散』とタイミングを分けて投資することでリスクを軽減させる『時間分散』という方法です。
安い時に買えて突然株価が上がればいいのですが、そんな事は神様でないと判らないですよね?ですから高い時だけに買う事がないように、毎月同額を月末に購入します、それが時間分散です!
次月の株価は誰にもわかりませんので分けて買えば高い時は少し、安い時はたくさん買えますよね!
日常で言うと、貴方は300円持っています、ミカンが一つ60円の時は5個買えますが30円では十個買えます、どちらが良いですか? 簡単ですよね! それでは次に移動平均です
ここでいう移動平均とは『時間分散』で取得した資産の価格を計算する方法で移動平均法といい、今まで購入した投資商品と今回購入したものの単価を決められた計算式で算定する方法です、これにより長期間にわたり購入した(高い時や安い時の)平均単価が判る事になります
購入した株式は今いくらなのかを知らなくてはいけません、現在の価値は日経平均連動ですから、日経平均株価ですが、では自分が持っている株の買値はいくらなんでしょうか?
計算式にするとこんな感じです
(前月末の単価『計算された平均』×前月の数量+今月の購入単価×今月の購入数量)
÷(前月の数量+当月の購入数量)=今月末の単価(計算された平均単価)
前月(前月が最初ならその時の購入単価)と今月の購入単価、数量にて計算します(平均)。そして翌月は出した平均単価とその当月の購入を足して平均単価を出していきます、その後は同じ事の繰り返しです。(月に何度か購入がある場合は時系列で同じことを繰り返すだけです)
先月はミカンを60円で5個買い 今月は30円で十個買いました、ひとついくらですか?
60円×5個+30円×10個=600円 600円÷15個=40円 これが移動平均です
そしてこれらを続けていく事により個人型確定拠出年金のように長期間の投資を有利にしていく事が出来、今いくらの利益が出ているかが判るのです、これが分散投資と移動平均です。
そこで購入事例として下記の表ですが上記のグラフ期間の値動きとそれを購入した時の数値計算をまとめてみました。
掛金と購入比率だけ決めておけば、上記の計算は全てコンピューターが計算してくれますが・・・
資料の記載内容は以下になります
①回数=購入した回数です、2001年10月から始まりですのでそこが1回目、例えば2002年4月は7回目になります
②日経平均=購入単価です(ここでは日経平均連動の為月末の数値)、例えば2002年4月は10,587円です 私のブログで確定拠出年金(イデコ)の運用勉強会で紹介している基準価格となります
③購入口数=毎月の拠出金で購入する口数です 拠出金÷日経平均(基準価格)となります、例えば2002年4月は20,000÷11,492で1.7403口になります
④累計口数=③で購入した口数を単純に足したものです 例えば2002年4月は2002年3月の累計口数11.4002+1.7403で13.1405になります
⑤移動平均=例えば2002年4月の移動平均を計算しようとすると2002年3月の④×⑤と2002年4月の②×③プラスして2002年4月の累計口数で割ります、そうすると10,654円になります
⑥拠出金累計=今まで積み立てた拠出金額の累計です。例えば2002年4月は7回目となり20,000×7で140,000円となります
⑦資産残高=購入した口数累計が現在の基準価格でいくらになるかです(現在の保有時価額)例えば2002年4月は13.1405口数保有し基準価格が11,492ですので掛け合わせて151,011円となります
⑧損益=⑦資産残高と⑥拠出金累計を比較したものです。例えば2002年4月は151,011-140,000で11,011円の利益となります
他の月で見ても同じ見方です、皆さんもお試し計算して下さいね!
他にも分散投資はいろいろな所で出てきますから覚えておくと便利ですよ、会社の持株会とかです
因みにこの期間でいうと2008年8月、73回目に移動平均単価は最高値を付けています、そのあたりがリーマンショックで日経平均株価が大きく下落し損益状況がマイナスに転じてしまいます。逆の移動平均の安値は2003年の6月の9,501円になっています。初めの頃は大きな株価の山や谷が無かったので成行き的にそうなっているのでしょう。
そしてその後アベノミクスが始まり株価が大きく上昇した2013年1月に当時の移動平均単価(10,890円付近)を上回り損益状況がプラスに転じて最終の資産残高は588万円を超え損益も222万円以上のプラスです。(いずれも上の資料では黄色にて表示している箇所です)
そうなんです分散投資をする事により購入した単価がずっと高いままである事を押える効果があり、自分の購入単価を上回れば投資利益が出て来るんです。ですから本日の表題の分散投資と移動平均を知っておくことは非常に大切な事です。と言っても自身の口座のコンピュータが勝手に計算してくれますので確定拠出年金にはあまり難しい知識は必要ありません。勿論いろいろな知識を知っているにこしたことはありませんが・・・無理に難しい言葉を使う事がなくても十分に資産運用は出来ますんで、みなさん安心して始めてください
上記例題は過去の日経平均をベースにして算定したものであり、今後このようになると保証するものではありません。確定拠出年金などの投資はあくまで自己判断でお願い致します
(参考までにですが、この期間の日経平均の最安値と最高値は各々赤色と緑色の表示にしています。)
車の運転をするのに隣で見ていて上達しますか?とりあえずしてみないとわからない事はたくさんあります。隣で座っていても運転は上達しませんよね、でも運転席に座ったらとりあえずアクセルは踏まないと後ろからクラクションをならされますしブレーキを踏まないと止まれません。
自分でやろうと思ったらまずはチャレンジしてみる事です。難しい事を言う人もいますが、別にファンドマネージャーになるのではないですから知識がなくても大丈夫です。確定拠出年金は自分の年金を自分で運用するだけです!増えるか増えないかは知識ではなくその時々の経済動向の方が影響しますよ!そしてあなた自身の自己責任ですからとやかく言われる必要はありません!
それと注意しておくことですが、今年から始めた人で今の株価が高いと思われている方はいきなり運用ではなく初めは定期預金等にしておく方が良いかも知れませんね、上の表でも判る通りですが、今が高くこれからジリ下げではすぐにマイナスになってしまいますから。上の事例でも今後日経平均が12000円台ぐらいまで下がってきたらマイナスになる可能性もあります。(上記のグラフで説明しますと日経平均線(緑線)が移動平均線(赤線)を下回ってくると損益はマイナスになりますので)
それと実際の運用は全て同じ株式投資で運用するのではありません、スイッチングで定期預金等に振り替える事もあり上記の資料通りにはなりませんが、長い時間をかけて運用出来る方は目先の少しの下げなどで動じることなく時間をかけた運用を心掛けてください。
それではこれらの仕組みを知ったところで皆さんも個人型確定拠出年金を楽しみながら実行出来るはずです、是非チャレンジしてみて下さい。ただしスイッチングする時はした方が良いですよ。リーマンショックみたいな事もありますので。
当事務所では2017年1月から加入枠が大幅に拡大された個人型確定拠出年金「iDeCo」(イデコ)を身近に感じて頂き有利に老後資金の準備が出来るような下記セミナーを実施しています。
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