皆さんこんにちは、少しご無沙汰していましたが今日は今注目の確定拠出年金制度がどんなにメリットがあるのかを見ていきたいと思います。

確定拠出年金制度(以下401Kと記している箇所もあります)とは毎月掛け金を積み立てて、その資金を自身で運用しながら老後の備えを準備していくものです。 従来は会社が掛金を負担するサラリーマンの『企業型』が中心でしたが、個人が掛金を負担する『個人型』が普及しつつあります。
それぞれに制度へ加入できる人が決まっていましたが、平成29年(来年)1月より確定拠出年金(個人型)に加入できる人の条件が緩和され大幅に加入者が増える事になりそうです。
緩和条件として個人型は自営業者にしか認められていなかった条件が公務員や専業主婦も入れるようになります。また企業にお勤めの方でも一定条件を満たせば自分でも追加で掛けることが出来まるようになります。

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これで準備をする意思がある方は殆どの方が確定拠出年金に加入出来る事となります

最近までの状況は、厚生労働省が発表している平成28年7月末現在の加入者数が企業型で581万人、個人型で27万人となっています。因みに60歳未満でなければ401Kに加入することはできません。

まずはどんなにお得かを感じて貰わないと今後始めていこうとも思いませんので、細かな話は抜きにして、どれぐらい資産運用に有利なのかを金額を追いながら解説したいと思います。

分散投資という言葉をご存知ですか?

分散投資とは資産運用のリスクを軽減させるために投資資金を複数の銘柄や商品に分散させる『資産分散』と、タイミングを分けて投資する『時間分散』という代表的な投資手法があります。

401Kは基本的に毎月積み立てていく事になっており、皆さんの決めた額で毎月掛け金を拠出していきますので、それだけで時間分散がはかられていく事になります。一気に買いませんから、高い時にかってしまうリスクを防げるわけです。

では例題として日経平均の推移を見てみましょう。区切りのいい所で過去15年間の推移です(2001年1月~2015年12月=21世紀に入ってから(ミレニアム以降)です)、その間にはご存知の通り2001年におきた『ITバブル』の終焉や、2009年のリーマンショック、2012年末から始まったアベノミクス等もあり結構株価の乱高下のあった時期ですね
(jan-01=2001年1月です グラフは右に行くに従い2015年12月になります)

2001年から2015年までの株価推移

それでは、この期間に毎月2万円ずつ確定拠出年金として日経平均に連動したファンドで投資運用をして15年間(180か月)経過した場合はどうなるでしょうか?

掛金合計 2万円×180か月=360万円

その掛金で毎月購入した株式ファンドが価格の上昇下落を繰り返しながら上記グラフのように推移すると、2015年末の運用合計金額は580万円を少し超えます。220万円の利益になりました

さらに確定拠出年金ではその他の税制優遇制度も用意されています。それは60歳時の受取時の優遇制度(退職所得控除)と拠出分を毎年の所得から社会保険料のように控除してくれる所得控除制度です。

受取時(一時金の場合)退職所得控除が使え税金は軽減されます。上記事例の場合はほぼ掛かりません
拠出時、毎月2万円×12カ月=年間24万円(所得控除)
年収500~600万円程の方なら所得税率10%、住民税率10%の合計20%で48,000円の税額が
年収700~800万円程の方なら所得税率20%、住民税率10%の合計30%で72,000円の税額が少なくなります。(住宅ローン控除やふるさと納税等で税金の支払いが少なくなっている人を除く)

税金で得する事をしってキャッシュバックに喜ぶ主婦15年間を累計すれば相当な額になりますよね・・・700万円以上の方なら先ほどの220万円と合わせると 『220万円+108万円=328万円』で実質360万円が688万円になり15年間で90%以上増える事になります。(あくまで計算上の話ですが)

(残念ながら所得がない専業主婦は所得控除が受けれません、旦那さんからも差引出来る事はありません。ですが103万円を超えての収入がある方は受けれる可能性があります。いろいろなご事情もあると思いますがこの機会にご検討してみては如何でしょうか?)
過去ブログ こちらもご確認下さい  ☞ パートで働く主婦のお金の知識

ではなぜこのようになるんでしょうか?

この15年間の月末の日経平均株価の単純平均は12,667円です

そうです、今は高くなっている日経平均ですが安い時もかなりあります、最安値は7千円代ですし1万円を切っているときも180回中52回あります。ですからその時に多く買えたものが株価の上昇と共に増えていきます。
これを15年前始めた時に一括で買っていれば、500万円程にしかなりません、なぜなら15年前の始めた時の日経平均株価は13,843円、15年後の2015年12月は19,033円で37.5%しか増加していないからです(もちろん最安値の時に全てを購入していれば結果良かったという事もあると思いますが、それは投資の神様でない限り判りません)

15年間あれば株価が高い時や安い時はそれぞれあります。特に日本の株式市場は米国等の市場に比べて乱高下が激しく一括での投資は危険です。ですから分散投資が有効なのです。マネー投資 401Kなどで有利な投資を

少し話はそれますが昨年来、日本の年金資産が株価の下落と共に10兆円近く減っているという話を耳にします。それはそうでしょう、短期間でみれば株価は下落する時もあります、しかも昨年の秋口からは上記グラフでも判るように下落しています。ですがそれぐらいの下落であればこの15年間の途中で何度も起きています、当然それを上回る上昇も起きています、国策でGPⅠFが投資の割合を株式投資に多くした時に起こったことに対する問題でしょうが、それは結果論でしかありません。
今後株価が下落し続ければそれは戻ってきませんが、今元の比率に戻したとしても戻ってきません。元々は株式投資が好調だ、株式割合を増やして年金の原資を増やそうから始まっている事です。もう少し長い目で見て継続していくことも考えても良いのではないかと思います。

話はそれましたが、401Kをせずに、毎月2万円の積み立て預金を金利1%で15年間継続したとした時の合計金額はおよそ387万円で360万円からの利益は税引前で27万円程です、差額はかなりあります。皆さんはどちらが有利かはもうおわかりですね!!

現在、これほど将来の老後の為の貯金を有利に出来る制度はありません、国がこれだけ有利な制度を出してくるという事は将来の年金を確保するのが難しいので、皆さん準備してくださいねとのメッセージにも取れます。
それを放っといて、今の事しか考えずに将来の準備をしなかった場合、60歳になってから年金が少なくなってお困りになるかもしれません。

少なかったとは思いますが、昭和36年に国民年金が出来た時にも年金掛金を支払わずに月数が少なくなり、年金が貰えない事や少なくてお困りになられた方もおられたとのこと、今回も将来国から支給される年齢が上がるかも知れませんし金額が減るかも知れません、困る事がないように準備しておきたいものです。

あと、お勤めの会社で厚生年金基金に加入されている方もご注意下さい、現状では基金に加入しており個人型確定拠出年金の拠出資格がないサラリーマンもおられると思われますが、企業の年金基金(総合型等を含む)は今後解散する方向で調整が進められている所が多くあります。この基金の話はややこしいので割愛しますが、代行部分というものを各基金が維持出来なくなってきているからです。恐らく平成29年3月から翌年にかけて増加すると思われます。そのサラリーマンも制度が完全になくなれば今回改正の確定拠出年金に加入出来ますので、基金の解散が決まった等を会社から聞いた場合は一度検討してみてください。

長々と書いてきましたが、確定拠出年金制度はまだ新しく上記のようにならず、下落傾向ではこれと逆になる場合もございますが、時間を味方につけた分散投資で皆さまの老後資金を育てていって下さい。

今までの15年間データをとって見ても下がり続けている事はありません。少しの上下でうろたえる事はありませんが、リーマンショック等の想定外の株式下落局面では定期預金にスイッチングするなどの手立てをとると、もっと残高は増えていく事もあります。戻すタイミングが難しいですが・・・経済動向に詳しくなってチャレンジしてください。

とは言っても文中にも書きましたが、国の年金機関のお偉い方々ですら年金資産を減らしてしまう程の経済状況です。海外からのヘッジファンドや国内の機関投資家が入り乱れる市場ですのでそう簡単には行きません。投資は自己責任で見極めて行ってください。私も数カ月で数十万円増えたかと思うと減らしたこともあります。ですがそのような401K投資が自然な流れだと思っています。

今では証券会社(ネット証券)や各種金融機関が顧客獲得に力を入れています。401Kの商品ラインナップは比較的危険な商品(ファンド)は入っていません。殆ど増えないですが定期預金や元本保証の商品も準備されていますので経済動向によるスイッチングは心得ておいてください。但し定期預金に移し替えた後、そのままにしておいては増やせませんよ

来年1月から始まる確定拠出年金制度の拡大、皆さんの乗り遅れが無いように今後も情報を発信しサポートしていきます。

当事務所では随時確定拠出年金(401K)のご質問、運用方法等の相談を受けると共にセミナーを準備しておりますのでご用命お願い致します

老後資金の準備の事に詳しいやまうちFP事務所にお任せ下さい。